このガイドでは、種子の発芽から収穫物のキュアリングまで、はじめての室内栽培を順を追って説明します。使うのは手に入りやすい機材と肥料です。栽培経験は必要ありません。各ステップで「なぜそうするのか」を説明しているので、あなたの環境が違っても自分で調整できます。
はじめての栽培の失敗は、たいてい「やりすぎ」が原因です。機材を買いすぎる、肥料を与えすぎる、水やりの回数が多すぎる、といったことです。植物は、予測できる生物学的なルールに従って育ちます。いくつかの基本条件を安定させておけば、ほとんどの仕事は植物がしてくれます。
訳者注:このガイドの温度・湿度の目標値は、涼しい気候での室内栽培では一般的なものです。タイや東南アジアの多くの地域では、室温が30〜35 °Cになることが多く、雨季には湿度が上がり、停電も起こります。ここでは達成しにくい目標値については、訳者注で代わりにどうすればよいかを説明します。
前編では、機材、種子選び、発芽、培地、施肥、光、水やりを扱います。後編では、栄養成長期と開花期、収穫、乾燥とキュアリング、よくあるトラブル、タイの規則、クローンからの栽培を扱います。
1. 始める前に:本当に必要なもの
1.1 1〜4株に必要な最低限
初心者の失敗は、たいてい次の2つのどちらかです。買うものが少なすぎて、避けられたはずのトラブルに遭うこと。あるいは買いすぎて、まだ理解していない機能にお金を払うことです。下の表は、1〜4株を育てるための本当の最低限です。表中の「キャノピー」とは、葉と花穂がつくいちばん上の層のことです。
| 項目 | 仕様 | 必要な理由 |
|---|---|---|
| グロウテント | 60×60 cm〜120×120 cm | 内壁が反射素材になった布製のフレームです。光を外に逃がさず、空気を管理できます |
| 栽培用ライト | 200〜400 WのLED、または400〜600 WのHPS(高圧ナトリウムランプ) | 発熱が少ないため、LEDがおすすめです |
| インラインファン+カーボンフィルター | テントの容積に合ったサイズ | 古く熱い空気を、フィルターを通して外へ排出します。新鮮な空気の確保と臭い対策に必要です |
| 循環ファン | 2台、クリップ式または据え置き式、首振り機能付き | 1台はキャノピーの高さ、1台は床の高さに置きます |
| タイマー | 2口、15分単位 | ライトやその他の機材のオン・オフを切り替えます |
| pH/ECメーター | 一体型または別々のもの | pHの精度が±0.1以内のもの |
| ポット | 7〜15 Lの布製ポット | 余分な水と空気が布から抜けるので、水のやりすぎになりにくくなります |
| 培地 | ココヤシ繊維または良質な培養土 | 第4章を参照 |
| 肥料 | 3液タイプのベース肥料+カルマグ(カルシウムとマグネシウムのサプリメント) | 第5章を参照 |
| 温湿度計 | キャノピーの高さに設置 | その日の最低値と最高値を記録できるものを選びます |
訳者注:30〜35 °Cの部屋では、ライトが主な熱源で、インラインファンが主な排熱手段です。同程度の出力なら、LEDはHPSランプより発熱が少ないので、ここではより安全な選択です。ファンが取り込めるのは部屋と同じ温度の空気だけです。そのため、タイの家庭栽培者の多くはテントをエアコンのある部屋に置いています。機械式タイマーは停電中に止まるため、停電後はライトのスケジュールが停電した時間の分だけ遅れます。バッテリーバックアップ付きのデジタルタイマーを選ぶか、停電のたびにタイマーを合わせ直してください。
1.2 予算が限られている場合:何から買うか
訳者注:元の記事には最低限のリストはありますが、買う順番は書かれていません。段階的に買う必要がある場合は、このガイドで説明している理由に沿った次の順番をおすすめします。
- 温湿度計。 いちばん安く、あなたの部屋がこのガイドの範囲にそもそも届くかどうかがわかります。空の部屋で1週間動かし、昼と夜の数値を記録してください。
- ライト。 光の不足を補える機材は、ほかにありません。
- テント、インラインファン、カーボンフィルター。 この3つで光を閉じ込め、熱と湿気を取り除き、臭いを抑えます。タイの暑さでは、熱い空気の排出はライトと同じくらい重要です。
- pHメーター。 pHが合っていないことが、肥料ブランドの選択よりも多くの問題を引き起こす理由は、5.3節で説明します。
- タイマー。 ライトのスケジュールを正確に保ちます。フォトピリオド品種が予定どおりに開花するには、正確なスケジュールが必要です。
- ポット、培地、肥料。 これらは最初は安いもので済ませられます。元肥入りの培養土なら2〜4週間は植物に養分を供給できるので(4.1節)、肥料シリーズとECメーターは少し後で買えます。ただし、これは土の場合だけです。ココは最初の水やりから肥料とカルマグが必要だからです(4.2節)。循環ファンは、家庭用の普通のクリップ式扇風機で代用できます。
1.3 まだ必要ないもの
はじめての栽培では、次のものは買わないでください。
- 部屋に二酸化炭素ガスを加えるCO₂添加装置
- 自動ドージング(自動施肥)システム
- クローンマシン
- 機材を自動でオン・オフする湿度コントローラー
- 光スペクトロメーター(分光計)
- 基本条件を安定させるためではなく、「収量の最大化」をうたって売られているもの
機材が1つ増えるたびに、故障しうるものも1つ増えます。まずはシンプルな環境で学んでください。正常な生育がどう見えるかを知ってから、機材を足しましょう。
訳者注:後回しにできるのは自動コントローラーだけです。除湿そのものは、それでも必要になる場合があります。タイの湿度が高い時期には、開花期と乾燥中(後編の第9章・第10章)に湿度を範囲内に保つため、普通の除湿機やエアコンのある部屋が必要になることがあります。決める前に、1週間分の湿度計の記録を確認してください。
2. 種子選び
2.1 フォトピリオドかオートフラワーか
大麻は大きく2つのグループに分かれます。違いは、開花が始まるきっかけです。
フォトピリオド品種は、ライトのスケジュールを変えると開花します。葉や茎を育てる時期(栄養成長期)には、1日18時間の光を当てます。その後、光を12時間に切り替えると、花穂の形成が始まります。株の大きさと時期をコントロールできますが、手順は増えます。
オートフラワー品種は、光のスケジュールに関係なく、株の齢によって開花します。種から収穫までは通常60〜75日です。株が小さく、早く育ち、管理しやすいのが特徴です。1株あたりの収量はやや少なめですが、はじめての栽培には十分に有力な選択肢です。
60×60 cmや80×80 cmのテントではじめて室内栽培をするなら、信頼できるブリーダーのオートフラワー品種から始めてください。十分なスペースを確保するため、テント1つにつき1株で計画しましょう。
訳者注:30 °Cを超え、湿度の高い部屋での品種ごとの耐性を比較した研究は、公表されているものがほとんどありません。こちらのトピックでは、高温に関する研究をまとめ、タイ向けの候補リストがまだ暫定的である理由を説明しています。「品種レビュー」セクションで、あなたと似た部屋でメンバーがどの品種を育てたか、その部屋が何度だったかを聞いてみてください。
2.2 信頼できるブリーダーから買う
種子の中には、遺伝的に不安定なものや、間違った名前で売られているものがあります。そうした種子から育った株は、1株ごとにばらつきます。すると、問題の原因が自分の育て方なのか、種子なのかを判断できません。次の条件を満たす、実績あるブリーダーから買いましょう。
- 育種の取り組みを公開して説明している
- ほかの栽培者による栽培レポートが公開されている
- 種子のロットごとに、追跡できるバッチ番号がついている
東南アジアで種子がよく販売されているブリーダーには、Dutch Passion、420 Fast Buds、Dinafem、RQSなどがあります。これらは例であり、推奨ではありません。どのブリーダーについても、上の3点で確認してください。
訳者注:タイの種子販売業者を見極める方法では、模倣された品種名や古い在庫について解説しています。タイで種子を買うでは、規則で何が認められているかを説明しています。バッチ番号の書かれた種子のパッケージと領収書は保管しておきましょう。株の様子がおかしかったとき、原因が種子のロットにあるかどうかを確かめる手がかりになります。
3. 発芽
発芽とは、種子が割れて、最初の根である主根(タップルート)を伸ばすことです。
3.1 ペーパータオル法
- pH 6.0〜6.5の水で、ペーパータオル2枚を湿らせます。しっとりしていて、水が滴らない程度にします。
- 1枚の上に種子を置き、もう1枚をかぶせます。
- ジッパー付きの袋に入れるか、2枚の皿で挟んで密閉し、湿度を高く保ちます。
- 22〜26 °Cの暗い場所に置きます。
- 12時間ごとに確認します。健全な種子のほとんどは、24〜72時間以内に割れて主根が見えてきます。
白い主根が0.5〜1 cm出たら、すぐに培地へ移します。1.5 cmより長くなるまで待たないでください。長い主根は折れやすく、移植するときに培地に絡まります。
3.2 培地に直接まく
このシンプルな方法を好む栽培者も多くいます。先に培地を湿らせ、深さ1 cmの穴をあけます。とがった側を下にして種子を入れ、軽く培地をかぶせます。芽が出るまで、22〜26 °C、湿度70%以上を保ちます。
ペーパータオル法に比べると、発芽率は少しばらつきます。ただし、壊れやすい主根に一度も触れないので、傷つける心配がありません。
3.3 種子がだめになる原因
- 過水。 種子には、水と同じくらい酸素が必要です。水浸しの培地には空気がないので、種子は発芽しません。
- 低すぎる、または高すぎる温度。 18 °Cを下回ると、発芽が大きく遅れます。32 °Cを超えると、種子の中の胚が傷みます。
- 古い種子。 保存期間が1年延びるごとに、発芽する種子は減ります。暖かく湿った環境では、とくにそうです。種子を保存するときは、冷凍庫ではなく冷蔵庫を使い、湿気を吸うシリカゲルの小袋と一緒に密閉容器に入れてください。
訳者注:タイの普通の部屋(30〜35 °C)は、32 °Cという損傷ラインにちょうどかかっています。エアコンのある部屋で、種子を暗く保つために閉めた引き出しの中で発芽させてください。冷蔵庫の上やランプの近くなど、暖かい場所は避けます。温度計を種子のすぐ横に置き、種子の実際の温度がわかるようにしましょう。
4. 培地
4.1 土と培養土
培養土はほかの培地よりもミスに寛容なので、初心者に向いています。元肥入りの培養土には、最初の2〜4週間分の養分が含まれています。そのため、苗がいちばん敏感な時期に施肥をする必要がありません。
次のような培養土を選びましょう。
- 水はけがよく、パーライト(培地の通気性を保つ、軽くて白い膨張処理した火山岩)を20〜30%含む
- 弱酸性(pH 6.0〜6.8)
- 固く締まらず、ふんわりと空気を含んだ状態を保つ
窒素をすでに多く含む家庭菜園用の土は避けてください。大麻の苗に窒素過剰を起こすことがよくあります。
土のpH範囲: 6.0〜7.0、最適は6.2〜6.8。
4.2 ココヤシ繊維
ココヤシ繊維は、ココナッツの殻の繊維です。販売業者が洗浄とバッファリング(植物にすぐ使えるようにする前処理)をしています。植物の養分はほとんど含まれていないため、植物はあなたが与えるものに完全に頼ることになります。土より手間はかかりますが、そのぶんずっと細かくコントロールできます。
利点:
- 水やりが正しければ、土より早く育ちます。ココは、より頻繁に水やりできるからです。
- パーライトを30%混ぜれば、過水のリスクが大幅に下がります。
- 次の栽培で再利用できます。
ココのpH範囲: 5.8〜6.2、最適は5.8〜6.0。
土との重要な違い: ココの繊維は、液肥に含まれるカルシウムとマグネシウムを表面に吸着します(陽イオン交換)。そのため、根が使えるこの2つの元素が少なくなります。ココで使う肥料シリーズには、どれも1週目からカルマグのサプリメントが必要です。
訳者注:ココの品質は、バッチごとに違います。洗浄・バッファリング済みの製品かどうかは、タイの正規代理店に問い合わせるか、「培地」セクションでほかのメンバーに聞いてください。30〜35 °Cでは、小さなポットのココはすぐに乾きます。乾くペースがわかるまでは、毎朝・毎晩ポットを持ち上げて確かめましょう(第7章)。
4.3 ポットのサイズ
ポットのサイズによって、水やりと水やりの間に培地がどれくらいの速さで乾くかが決まります。根に対してポットが大きすぎると、培地が長く湿ったままになり、過水になりやすくなります。小さすぎると早く乾くため、頻繁な水やりが必要になり、根の行き場もなくなることがあります(根詰まり)。
フォトピリオド品種の実用的な手順:
- 底に排水用の穴をあけた1 Lのプラスチックカップ、またはロックウールキューブ(石を繊維状にしたブロック)で発芽させます。
- 栄養成長期用に、3〜5 Lのポットへ移植します。
- 開花用に、11〜15 Lのポットへもう一度移植します。
オートフラワー品種は、最初から最終サイズの7〜11 Lのポットに植えます。ライフサイクルが短く、移植のストレスから回復する時間がないからです。
肥料を買う前に、培地を決めましょう。施肥の判断を少なくしたいなら、土を選びます。ココは、1日2回ポットを確認できる場合にだけ選んでください。
5. 肥料の基本
5.1 植物に必要なもの
大麻は、3つの主要栄養素を大量に必要とします。
- 窒素(N): 葉と茎の成長の主な原動力です。栄養成長期には多めに、開花期には少なめに与えます。
- リン(P): 根の成長、植物体内でのエネルギーの移動、開花の開始に必要です。
- カリウム(K): 葉の気孔の開閉を調整し、病気への抵抗力を高めます。香り成分であるテルペンをつくるのにも必要です。
カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、硫黄(S)は、中程度の量が必要です。水耕栽培やココでは、ベース肥料だけでは足りない場合があるため、これらを別に加えることがよくあります。
微量要素は、ごく少量だけ必要です。鉄、マンガン、亜鉛、ホウ素、銅、モリブデンがこれにあたります。市販の肥料には、通常すでに含まれています。
Bernstein et al.(2019)は、N・P・Kとフミン酸の添加によって、医療用大麻の化学的プロファイルがどう変わるかを研究しました(参考文献を参照)。
5.2 初心者向けの施肥スケジュール
Grotek、Advanced Nutrients、BioBizz、Cannaなど、ほとんどの肥料メーカーは施肥スケジュールを公開しています。スケジュールには、週ごとにどの製品をどれだけの量で使うかが示されています。一般的な条件を想定して作られているので、出発点としては妥当です。
どのスケジュールよりも優先すべきルールが3つあります。
- 新しい肥料シリーズを使うときは、最初の2週間は推奨量の50%から始めます。
- 量を増やすのは、過剰のサインが出ていないときだけです。サインとは、葉先の焼け、濃すぎる緑色の葉、爪のように下向きに曲がる葉先です。
- 液肥のECを確認します。EC(電気伝導度)は、水に溶けている肥料の量を示します。市販のスケジュールの多くは、栄養成長期に1.2〜2.4 mS/cm、開花期に1.4〜2.8 mS/cmを目標にしています。
訳者注:施肥スケジュールは、通常は涼しい気候向けに書かれています。31 °Cで湿度が高いと、こちらの実例が示すように、植物の反応が変わることがあります。ECは範囲の下限から始め、ルール2のサインを見ながら段階的に上げてください。肥料は、タイの正規代理店からタイ語ラベル付きのものを買いましょう。肥料が登録済みかどうかの確認方法は、こちらのトピックで説明しています。
5.3 肥料のブランドよりpHが大事
液肥のpHが合っていないと、水に十分含まれていても、根が一部の元素を吸収できなくなります。これを養分ロックアウトといいます。欠乏症に見えるものの多くは、実はロックアウトです。養分は水の中にあるのに、根がそれを使えないのです。
覚えておきたい主な範囲:
- 土でpH 7.0を超えると、鉄、マンガン、亜鉛、ホウ素がロックアウトされます。
- どの培地でも、pH 5.5を下回ると、カルシウムとマグネシウムが根に吸収されにくくなります。
- リンがもっとも吸収されやすいのは、土ではpH 6.0〜7.0、ココと水耕ではpH 5.8〜6.2です。
液肥は毎回、使う前にpHを調整してください。水道水も、そのまま使えると思い込む前に測りましょう。水道水は、pH 7を大きく上回ることがあります。
訳者注:近所の人の話に頼らず、自分の水を測ってください。水道水、井戸水、ためた雨水では、大きく違うことがあります。肥料を入れていない水のpHとECを記録しておきましょう。これが基準値になり、ECの測定値のうちどれだけが肥料によるものかがわかります。
6. 光
6.1 光のスケジュール
栄養成長期: 標準は、18時間点灯・6時間消灯(18/6)です。20/4や24/0にする栽培者もいて、植物はそれにも対応できます。18/6は生育スピードと電気代のバランスがよく、植物の光を受け取る仕組みを休ませることもできます。
開花期(フォトピリオド品種): 株が、目標とする最終的な高さの40〜60%に達したら12/12に切り替えます。12/12にしてから最初の2週間、株は急に伸び(ストレッチ)、通常は高さが約2倍になります。株がテントの高さを超えないよう、早めに切り替えましょう。
オートフラワー: ライフサイクル全体を通して、18/6または20/4を保ちます。
訳者注:暑い地域では、部屋が涼しくなる夜間に点灯時間を設定する栽培者が多くいます。そうするとエアコンの負担が減り、テント内も目標温度に近い状態を保ちやすくなります。タイマーは一度設定したら、その後はスケジュールを変えないでください。
6.2 ライトと株の距離
推奨距離は、メーカーによって異なります。実用的な目安は次のとおりです。
- LEDパネル(250〜400 W): 苗と栄養成長期の初期は、キャノピーからランプまで45〜60 cm。栄養成長期の中期〜後期は30〜45 cm。開花期は、品種がどれだけ強い光に耐えられるかに応じて25〜40 cm。
- HPS(400〜600 W): 高温ストレスを防ぐため、少なくとも45〜60 cm。
簡単なテスト:ライトの下、キャノピーの高さに手を10秒かざします。不快なほど熱く感じたら、ランプを上げてください。より正確なデータが欲しければ、光量計かスマートフォンのPPFDアプリを使います。PPFDとは、1秒あたりに葉に届く、植物が利用できる光の量のことです。
Potter and Duncombe(2012)は、ランプの電力と光強度が、室内栽培の大麻の収量と効力にどう影響するかを研究しました(参考文献を参照)。
訳者注:部屋がすでに30 °Cを超えていると何でも熱く感じるため、手のテストは当てになりにくくなります。温度計を、ランプの真下のキャノピーの高さに吊るしてください。テント内のほかの場所よりかなり高い値が出たら、ランプを上げます。
7. 水やり
7.1 いつ水をやるか
初心者にいちばん多い失敗は、植物が必要とするときではなく、決まったスケジュールで水をやることです。正しい合図は、ポットを持ち上げてみることです。乾いたココや土のポットは、水をやったばかりのポットよりずっと軽く感じます。2〜3回水やりをすれば感覚がつかめ、自然にわかるようになります。
2つ目の合図は、培地の表面2〜3 cmが乾いていることです。あわせて、葉に高温ストレスのサインが出ていないかも確認してください。高温ストレスは、水不足のように見えることがあります。
7.2 どれだけ水をやるか
ポットの底から、与えた水の10〜20%が流れ出る(ランオフ)まで水をやります。こうすると、肥料の塩類がたまるのを防ぎ、根域全体を湿らせることができます。ランオフが10%未満だと、培地に乾いた部分が残ることがあり、そこにある根は養分に届きません。
- ココ: 回数を多く、1回の量は少なめにします。開花後期には、1日1〜2回になることもあります。
- 土: 回数を少なく、1回の量は多めにします。ポットのサイズと部屋の環境に応じて、2〜4日ごとです。
訳者注:キッチンスケールや荷物用のはかりを使えば、感覚を数字にできます。水やりの直後と、次の水やりが必要なほど乾いたときに、それぞれのポットの重さを量ります。両方の重さをポットに書いておきましょう。タイの暑さではポットが早く「乾いたときの重さ」に達しますが、数字があれば推測に頼らずに済みます。
後編に進む前に
- 空の部屋で温湿度計を1週間動かし、数値を記録します。あなたの部屋が、このガイドのどの目標値に届くかがわかります。
- 水道水のpHとECを測ります。毎回の液肥の基準値になります。
- 土かココかを決め、適切なサイズのポットを選びます(第4章)。
- 最初の水やりから、湿った状態と乾いた状態のポットの重さを量ります。水やりのタイミングがわかるようになります。
この前編でわかりにくい点があれば、このトピックの下で質問してください。その際は、部屋の温度と湿度も書き添えてください。
参考文献
- Potter, D. J., & Duncombe, P. (2012). The effect of electrical lighting power and irradiance on indoor-grown cannabis potency and yield. Journal of Forensic Sciences, 57(3), 618–622.
- Bernstein, N., Gorelick, J., Zerahia, R., & Koch, S. (2019). Impact of N, P, K, and humic acid supplementation on the chemical profile of medical cannabis. Frontiers in Plant Science, 10, 736.