Grotek社のMonster Bloom製品情報をもとに翻訳・編集
Monster Bloomは、水に溶かして使う粉末肥料です。植物が開花している期間に、普段の施肥に加えて使います。製造元はGrotekです。Grotekは、水耕栽培資材の会社Hydrofarmが所有するブランドです。
この粉末に含まれる養分は、リン(P)とカリウム(K)の2つだけです。窒素(N)は入っていません。そのため、これだけで植物を育てることはできません。必ずベース肥料に追加する形で使います。ベース肥料とは、植物に必要なすべての元素を供給するメインの肥料のことです。
このような製品は、PKブースターやブルームエンハンサー(開花促進剤)と呼ばれます。この製品についての詳しい背景は、このフォーラムのMonster Bloom完全ガイドをご覧ください。
GrotekはMonster Bloomを、自社の「定番」の開花促進剤と位置づけています。同社が挙げる主な効果は3つです。花房が大きくなること、収穫量が増えること、そして成熟期を支えることです。これらはメーカーの主張で、元の資料には裏付けとなる試験データは示されていません。開花期にリンを追加することについて研究で何がわかっているかは、ブルームブースター(開花促進剤)肥料:リンを追加すれば本当に花が増えるのか?をお読みください。
ラベルと製品ページに書かれていること
1. 養分の含有量。 Grotekの製品ページには保証成分値が載っています。保証成分値とは、メーカーが保証する養分の含有量のことです。記載は次のとおりです。
- 可給態リン酸(P₂O₅)50%
- 水溶性カリ(K₂O)30%
- 窒素なし
つまりNPK比は0-50-30です(窒素、リン、カリウムの順)。ラベルではリンとカリウムを酸化物の形(P₂O₅とK₂O)で表示しています。肥料のラベルでは、これが一般的な表示方法です。純粋なリンとカリウムの量は、50%と30%より少なくなります。数値の換算方法は、上でリンクを貼った完全ガイドに載っています。
2. 原料。 原料はリン酸一カリウム(MKP)と記載されています。MKPは、リンとカリウムの両方を含む単一の塩です。
3. Grotekが説明する働き。 Grotekによると、Monster Bloomはつぼみが育つ間、次の4つの面で植物を助けます。
- タンパク質とデンプンをつくる働きを支える
- 茎や枝を強くする
- 植物の中で糖やデンプンを運ぶのを助ける
- 呼吸とCO₂の取り込みを支える
これらはGrotekによる製品説明です。元の記事では検証されていません。
4. 使用量。 水5米ガロンあたり小さじ1杯(19 Lあたり6 g)を使います。土、無土壌培地、水耕のどれでも同じ量です。水耕とは、根を養液に直接浸して育てる方法です。開花期は、施肥のたびに加えます。
5. 使う時期。 つぼみができ始めたら使い始めます。収穫の1〜2週間前にやめます。
6. 対応する栽培方法。 使用方法は、土、ピートやココヤシ繊維などの無土壌培地、そして水耕栽培に対応しています。
7. 容量。 130 g、500 g、2.5 kg、5 kg、10 kgの各サイズがあります。
訳者注:粉末を小さじで量っても、正確な量にはなりません。どれだけ入るかは、スプーンの大きさや粉の詰まり具合で変わります。0.1 g単位で量れるデジタルはかりで計量してください。そうすれば毎回同じ量を与えられます。ラベルの使用量を、よく使うタンクの容量に換算すると次のとおりです。
| 水量 | Monster Bloom(ラベル記載の使用量) |
|---|---|
| 1 L | 約0.32 g |
| 19 L(5米ガロン) | 6 g |
| 100 L | 約32 g |
Grotekは、なぜ収穫の1〜2週間前にやめるのかを説明していません。最後の数週間の施肥をどうするかについては、栽培者の間でも意見が分かれています。この議論については、収穫前のフラッシング:科学か神話か?をご覧ください。使い始めた時点で、栽培カレンダーに終了日を書き込んでおきましょう。そうすれば、やめ忘れを防げます。
施肥に加える前に
これは補助剤で、完全な肥料ではありません。 窒素、カルシウム、マグネシウム、微量要素は、引き続きベース肥料から供給する必要があります。ベース肥料の一部をMonster Bloomに置き換えると、植物はこれらの元素が不足します。ベース肥料は、ラベルにある開花期の使用量をそのまま与え続けてください。そのうえでMonster Bloomを追加します。
加えた後にECとpHを確認します。 EC(電気伝導度)は、水に溶けている肥料塩の量を示します。pHは、溶液の酸性・アルカリ性の度合いを示します。両方の測り方は、大麻のpHとEC:それぞれが測るものと、培地別・生育段階別の目標値(前編)をご覧ください。Monster Bloomが完全に溶けてから、最終的な溶液を測ります。そうすれば、実際に根に届いているものがわかります。リンとカリウムが多すぎると根の周りのECが上がり、葉先が焼けることがあります。この障害の見分け方は、大麻における肥料焼けをご覧ください。
PKブースターを2種類重ねて使わないでください。 お使いのベース肥料のシリーズに、専用の開花促進剤がすでに含まれていることがあります。両方のラベルを読まずにMonster Bloomも加えると、リンとカリウムを2倍与えてしまうおそれがあります。まず両方のラベルのNPK値を比べてください。そのうえで、どちらか一方だけを使うか、両方を減らすかを決めます。
まず小さなバッチで試します。 数株、または1台のテーブルにだけMonster Bloomを使います。条件の近い別のグループには、ベース肥料だけを与えます。収穫時に、乾燥重量と葉の状態を比べます。そうすれば、あなたの栽培室、あなたの品種、あなたのベース肥料の組み合わせで、この製品に効果があるかどうかがわかります。
訳者注:タイ・東南アジアの環境での使い方
まず元の水を測ります。 水道水、井戸水、雨水は、地域によって性質が違います。肥料を入れる前から、ECが高い水もあります。何も加えていない水のECを記録しておきましょう。そうすれば、最終的な数値のうち、どれだけが肥料によるもので、どれだけが水によるものかがわかります。
暑い時期は根域に注意します。 30〜35 °Cになると、植物はよく水を吸い、ココヤシ繊維やピートからの蒸発も速くなります。残った塩類は、時間とともに鉢の中にたまっていきます。週に1回、排水(鉢の底から流れ出る水)のECを測ってください。数値が上がり続けるなら、根域の塩類濃度が、与えている養液より高くなっています。
正しい順番で混ぜます。 まずタンクに必要な量の水をすべて入れます。製品は1つずつ加え、そのたびにかき混ぜます。Monster Bloomを濃いカルシウム製品と直接混ぜてはいけません。濃い原液の中では、リン酸とカルシウムが反応して、植物が使えない固形物になることがあります。pHは、すべてが溶けてから最後に確認します。
特に雨季は乾燥した状態で保管します。 使うたびに袋をしっかり閉じ、乾燥した場所に置いてください。粉が湿気を吸うと固まり、正確に量りにくくなります。家庭で小規模に育てる方なら、130 gや500 gの袋は湿気を吸う前に使い切れます。大きな袋は、短期間で使い切れる場合にだけ選びましょう。
どこで買い、どの書類を求めるか
タイにあるGrotekの正規代理店から、メーカーの未開封の純正パッケージで購入してください。偽物、詰め替え品、古い製品をつかむリスクが下がります。販売店には次の2つの書類を求めましょう。
- 分析証明書(COA):そのバッチに何が含まれているかを示す検査機関の報告書
- 安全データシート(SDS):安全な取り扱い、保管、応急処置についてのメーカーの資料
ある肥料がタイで合法的に販売されているか不安な場合は、タイで肥料が合法であることを確認するをご覧ください。農場でGACP(適正農業・採取規範。認証を受けた栽培のための基準)の取得を目指しているなら、使ったすべての資材のCOAとSDSを農場の記録と一緒に保管してください。そうすれば、何を使い、それがどこから来たのかを、求められたときに示せます。施肥スケジュールについて技術サポートがあるかどうかは、代理店に問い合わせてください。中立的な経験談を知りたい場合は、「養分全般Q&A」(General Nutrients Q&A)セクションでほかの栽培者に聞いてみましょう。
次にやること
- 何も加えていない元の水のECとpHを測り、記録します。
- ベース肥料と、すでに使っているブースターのNPK値を読みます。リンとカリウムを2倍与えることにならないかがわかります。
- 19 Lあたり6 g、つまり1 Lあたり約0.32 gを量ります。小さじでは量りません。
- Monster Bloomを加えた後、最終的な溶液のECとpHを測り、数値を記録します。
- 収穫予定日の1〜2週間前にあたる終了日を、カレンダーに書き込みます。
- まず数株に使い、使わないグループと並べて育て、収穫時に比べます。
タイの暑さの中や雨季にMonster Bloomを使ったことがある方は、このトピックの下にECの数値と結果を投稿してください。質問もこちらでどうぞ。