大麻(Cannabis sativa L.)は雌雄異株の植物です。つまり、雄花と雌花はふつう別々の株に咲きます。ところが、両方の花をつける株もあります。こうした雌雄同体の株(通称「ハーム」)は、決して珍しくありません。見逃すと、その花粉で作物のあちこちに種ができ、収穫物の価値が下がります。
この記事では4つのことを扱います。株の性別がどう決まるか、早い段階での見分け方、株が雌雄同体になる理由、そして雌雄同体の防ぎ方です。「訳者注」と書かれた段落は、タイと東南アジアに特有の条件を補足したものです。
今シーズンやるべき5つのこと
- サイクルを始める前に毎回、開花室に光漏れがないか確認します。暗期中の光漏れは、ストレスによる雌雄同体のいちばん多い原因です。
- 開花の最初の2週間は、すべての株を毎日点検します。目的は、雄花が開いて花粉を出す前に見つけることです。
- 開花室は20~26 °Cに保ち、28 °Cを超えないようにします。開花中に30 °Cを超える状態が長く続くと、株は雌雄同体になりやすくなります。
- 遺伝的な雌雄同体の株は取り除きます。その形質は次の世代に受け継がれるため、その株から挿し木や種を取ってはいけません。
- 品種ごと・種子のバッチごとに、雌雄同体が何株出たかを簡単に記録します。数サイクル続けると、どの遺伝系統が安定しているかが記録からわかります。
1. 大麻の性別はどう決まるか
3種類の株
- 雌株(
): 栽培者が収穫する花穂(バッズ、花の集まり)をつけます。カンナビノイドの含有量がいちばん高いのは雌花です。カンナビノイドとは、THCやCBDなどの有効成分のことです。 - 雄株(
): 花穂の代わりに花粉嚢をつけます。雄株が1株あるだけで、栽培室全体が受粉してしまうこともあります。ある研究では、受粉した花の総カンナビノイド含有量は、受粉していない花と比べて、THCの多い株で約75%、CBDの多い株で約60%少なくなりました(Feder et al., 2021)。 - 雌雄同体: 1つの株に雄花と雌花の両方がつきます。これには2つのタイプがあります。真の雌雄同体は、その形質を遺伝子に持っています。ストレス誘発性の雌雄同体は、環境に反応して起きたものです。どちらのタイプもセクション3で説明します。
XX/XY型の性決定
大麻には、人間と同じように性染色体があります。XXの株は雌、XYの株は雄です。X染色体の大部分は、Y染色体とDNAを交換しません。この部分を「非組換え領域」と呼び、ここがあるために2本の染色体は長い年月をかけて大きく違うものになりました。
Prentout et al.(2020)は、大麻のXY染色体の組が、これまで記録された植物の性染色体の仕組みの中で最も古いかもしれないと示しています。続く研究(Prentout et al., 2021)では、ホップ(Humulus)も同じ組を持っていることがわかりました。栽培の現場でこれが役に立つのは、雄の性質がY染色体に乗っているからです。分析機関は、Y染色体にしかないDNAの断片を探すことで、苗の段階で雄株を見分けられます(セクション2)。
Monoecy1:X染色体上にある性に関わる領域(2025年)
栽培品種の中には雌雄同株のものがあり、1つの株がふつう雄花と雌花の両方をつけます。一方、雌雄異株の品種では雄株と雌株が分かれています。アイルランドのユニバーシティ・カレッジ・ダブリン(University College Dublin)の研究チームは、フランスのCNRS(フランス国立科学研究センター)およびパリ=サクレー大学(Université Paris-Saclay)と共同で、この違いを生む遺伝子を探しました。この研究(Toscani et al.)は2025年7月にプレプリント(査読前の論文)として公開され、2026年にNew Phytologist誌に掲載されました(doi:10.1111/nph.71185)。
チームはQTLマッピングという手法を使いました。株どうしを交配させて子の世代のある形質を記録し、その形質と一緒に受け継がれる染色体の区間を突き止める方法です。見つかった領域は Monoecy1 と名付けられました。
- X染色体上の、性染色体の中で最も古く、最も違いが大きくなった部分にあります。
- 約6万塩基(DNAの文字)の範囲に、CsREM16、lncREM16、CsKAN4の3つの候補遺伝子があります。
- CsREM16とCsKAN4は、既に知られている転写因子遺伝子の仲間です。転写因子遺伝子とは、ほかの遺伝子のオン・オフを切り替える遺伝子です。lncREM16は長鎖非コードRNA遺伝子で、RNAはつくりますがタンパク質はつくりません。
- 著者らは、この3つの遺伝子が一緒に働き、「雄か雌か」と「雌雄同株か雌雄異株か」の両方を制御していると考えています。論文のタイトルでも、これらの遺伝子が性を制御している「可能性がある(potentially)」という表現にとどめています。遺伝子の役割は、まだ実験では証明されていません。
つまり、研究者は領域を見つけましたが、どの遺伝子が原因なのかはまだ証明できていません。そのため、この研究を根拠に「雌雄同体にならない」と保証できる種子はありません。どの遺伝系統が安定しているかを判断するには、品種ごとに自分でつけた雌雄同体の記録が今も最も確かな手がかりです。
エチレンとCsETR1受容体
エチレンは、植物がガスとして放出する植物ホルモンです。エチレンが多いと雄花ができにくくなり、株は雌のままでいます。CsETR1はエチレン受容体をつくる遺伝子です。エチレン受容体とは、植物の細胞がエチレンを感じ取るためのタンパク質です。
チオ硫酸銀(STS)はこの受容体の働きを止めます。STSで処理した雌株(XX)は、雄花をつけるようになります。その花粉はX染色体しか持たないため、できる種子はすべて雌になります。これを女性化種子(フェミナイズドシード)と呼びます。女性化種子をつくる一般的な2つの方法は、セクション4で比較します。
2. 株の性別を見分ける方法
プレフラワーを見て判定する
プレフラワーとは、本格的に開花する前に株がつける最初の小さな花です。節(葉柄が主茎につながる部分)に現れ、ふつうは栄養成長期の4~6週目に出てきます。雌のプレフラワーには雌しべ(ピスティル)があり、1~2本の細く白い毛のように見えます。雄のプレフラワーは、短い柄の先についた小さく丸い花粉嚢です。
目で見てプレフラワーを判定した場合の正確さは約85~90%です。つまり、10回に1回ほどは判定を誤るおそれがあります。費用はかからないので、小規模な栽培者に向いています。ルーペ(拡大鏡)を使うと、小さな部分がずっと見やすくなります。
訳者注:タイの屋外では、日の長さが一年を通して12時間前後からあまり変わりません。そのため、フォトピリオド株は、温帯の国のガイドに書かれている時期より早く開花し始めることがあります。詳しくはタイの緯度でフォトピリオド株が早く開花する理由を参照してください。早く出たプレフラワーを見逃さないよう、屋外の株は4~6週目になる前から節のチェックを始めてください。
種から12時間日照で開花させる
この方法では、発芽した初日から苗に12時間の光と12時間の暗闇を与えます(「種から12/12」)。こうして早く開花させると、10~14日目ごろに性別がわかります。正確さは約95%です。お金はかかりませんが、株にストレスがかかり、収量が落ちます。多数の株をふるい分ける必要がある栽培者に向いています。
分析機関でのDNA検査:最も正確な方法
PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)は、DNAの短い断片を、検出できる量になるまで何度も複製する検査法です。性別判定では、分析機関がY染色体上にある雄のマーカー(SCARマーカーやMADC2マーカーなど)を探します。SCAR(sequence-characterized amplified region、配列特異的増幅領域)はDNAマーカーの一種です。マーカーが見つかれば、その株は雄です。
- 正確さ:MADC2マーカーのqPCR検査で98.5%超。約8,200の葉サンプルで確認されています(Torres et al., 2022)。
- 時期:5~7日目、子葉(コチレドン)の段階から検査できます。子葉の段階とは、苗に最初の丸い子葉しか出ていない時期です。
- 費用:1サンプルあたり5~15米ドル。
- 向いている人:商業栽培者と育種家。
| プレフラワーの確認 | 種から12/12 | 分析機関でのDNA検査(PCR) | |
|---|---|---|---|
| 正確さ | 85~90% | 約95% | 98.5%超 |
| 性別がわかる時期 | 栄養成長期の4~6週目 | 10~14日目 | 5~7日目 |
| 1株あたりの費用 | 無料 | 無料(ただし収量が減る) | 5~15米ドル |
| 向いている人 | 小規模栽培者 | 多数の株のふるい分け | 商業栽培者・育種家 |
訳者注:タイ国内でPCRによる大麻の性別検査を行っている分析機関と、その料金は確認できませんでした。1サンプルあたりの料金、必要なサンプルの種類、結果が出るまでの日数は、分析機関に直接問い合わせてください。ルールは機関ごとに違うので、採取する前に、サンプルの採り方・保管方法・送り方を確認してください。苗の1株ごとに番号を付け、その苗のサンプルにも同じ番号のラベルを貼ります。こうしておかないと、結果がどの株のものか照らし合わせられません。分析機関については、B2Bサービス:分析機関、物流、受託作業でほかの栽培者に聞くことができます。
訳者注:分析機関での検査が現実的でない場合でも、雄株を避ける方法がほかに2つあります。1つは、信頼できるか確認した販売業者から女性化種子を買う方法です。もう1つは、すでに持っている雌株から挿し木を取って発根させる方法です(母株とクローン)。ほかの農場から買ったクローンには注意してください。害虫、ホップ潜在ウイロイド(HLVd)、あるいは違う品種を自分の栽培場に持ち込むおそれがあります。
3. 雌雄同体とナナー
雌雄同体の株は、たいてい見た目は雌株ですが、雄花もつけています。雄花は、雄株と同じように節にできる完全な花粉嚢のこともあります。「ナナー」(「バナナ」を縮めた呼び名)のこともあります。ナナーは、花穂からまっすぐ突き出る、黄色や淡い緑色の小さな雄の器官です。花粉嚢と同じように、同じ株や近くの株に花粉をまき散らすことがあります。
遺伝的な雌雄同体
元記事によると、遺伝的な雌雄同体は、変異したMo1対立遺伝子(遺伝子の変異型)か、不安定な遺伝系統から生じます。3つの商業品種を調べたある研究では、調べた株の5~10%に雌雄同体の花が見られました(Punja & Holmes, 2020)。この形質は次の世代に受け継がれます。こうした株はすぐに取り除き、母株や育種には使わないでください。
セクション1で見たとおり、Monoecy1のもとになっている遺伝子は、まだ実験で確認されていません。「Mo1」という名前を使った研究や、その変異型を薬用型大麻の雌雄同体と結びつけた研究は見つかりませんでした。「変異したMo1対立遺伝子」は、証明された原因ではなく、仮説として扱ってください。
ストレス誘発性の雌雄同体:5つの原因
- 暗期中の光漏れ。 これが最大の原因です。
- 開花中に長く続く 30 °Cを超える温度。
- 深刻なカリウム(K)不足。
- 収穫の遅れ。 長く置きすぎた花穂には、ナナーが出始めます。
- 根域での ±1.0を超えるpHの変動。
ホルモンが性別を切り替える仕組み
株がどちらの花をつけるかは、ホルモンが決めています。オーキシン(成長ホルモンの一種)が多いと雌花が、ジベレリン(別の成長ホルモン)が多いと雄花ができやすくなります。エチレンは「雌のホルモン」として働きます。株がストレスを受けるとエチレンが減ってジベレリンが増え、雄花が現れます。
元記事は、これを生き残るための仕組みだと説明しています。ストレスを受けた株は、それでも種を残せるように、自分で花粉をつくるのです。上の5つの原因がどれもストレスにつながるのはこのためです。ストレスを取り除けば、引き金の大部分を取り除くことができます。
訳者注:タイと東南アジアでは、これらの原因が次のような形で現れます。それぞれの対処法も挙げます。
- 屋外と温室での夜間の光。 街灯、防犯灯、近所の家の明かりが、開花中の株に届くことがあります。株をこうした光から遮るか、別の場所で育ててください。遮光(ライトデプ)温室の遮光カバーが破れていると光が入り込むので、嵐のあとは毎回カバーを点検してください。
- 停電。 機械式タイマーは停電中に止まり、復旧後は時刻が遅れたまま動きます。そのため、株にとって夜の時間帯にライトが点いてしまうことがあります。停電のあとは毎回タイマーの時刻を確認してください。嵐の多い雨季には特に大切です。バッテリーバックアップ付きのデジタルタイマーなら、正しい時刻を保てます。
- 暑さ。 外気温が30~35 °Cあるときに部屋を20~26 °Cに保つには、計画的な空調管理が必要です。冷房の能力は、実際の熱負荷に合わせて選んでください(タイの開花室向けエアコンと除湿機のサイジング)。外が涼しい夜間にライトを点けると、エアコンの負担が減ります。最高・最低温度計を置いておけば、留守中に停電したとき部屋が何度まで上がったかがわかります。
- 遺伝系統。 部屋を30 °C未満に保てない場合は、高温でも良い結果を出している遺伝系統を選んでください(30 °Cを超える部屋のための遺伝子選び)。
雌雄同体のチェックと、見つけたときの対処
- 開花の最初の2週間は、すべての株を毎日確認します。収穫が遅れるとナナーが出るので、収穫前の最後の数週間にも花穂をもう一度確認します。
- 雄花のついた株を動かす前に、ビニール袋をかぶせます。花粉が揺れて落ち、ほかの株にかかるのを防ぐためです。
- 雌雄同体を見つけたら、そのたびに日付、品種、部屋の条件(温度、光のスケジュール、停電の有無)を書き留めます。そうすれば、どちらのタイプの雌雄同体かがわかります。同じ部屋の同じ品種のうち1株だけが雌雄同体になり、ほかの株に問題がなければ、原因はおそらく遺伝です。停電や熱波のあとに、品種を問わず多くの株が雌雄同体になったなら、まずストレスの原因を直してください。
- 育種家の中には、母株として残す前にわざと株にストレスを与え、どの株が雌雄同体になるかを見る人もいます。元記事にはその方法が書かれておらず、公表されて検証された手順も見つかりませんでした。数サイクル分の自分の記録を頼りにしてください。
4. 女性化種子をつくる:チオ硫酸銀かコロイダルシルバーか
どちらの方法も、銀を使って雌株のエチレン受容体の働きを止め、花粉をつくらせます(セクション1)。コロイダルシルバーとは、ごく細かい銀の粒子を水に分散させたものです。
チオ硫酸銀(STS)
- 女性化率:99.7~99.9%。
- 5~7日の間隔をあけて2~3回散布します。
- 散布した株は絶対に摂取しないでください。
コロイダルシルバー
- 女性化率:95~99%。
- 14~21日間、毎日散布します。
- 家庭でも簡単につくれます。
| STS | コロイダルシルバー | |
|---|---|---|
| 女性化率 | 99.7~99.9% | 95~99% |
| 散布 | 2~3回 | 14~21日間毎日 |
| 向いている人 | プロの育種家 | 家庭の栽培者 |
両方の方法の詳しい手順は、セクション1でリンクしたSTSのフォーラムトピックで説明しています。
訳者注:使う化学物質はすべて、安全データシート(SDS)を読んでください。混ぜるときと散布するときは、手袋、ゴーグル、マスクを着けます。処理する株への散布は、別の場所で行ってください。散布液が開花中の作物に飛散すると、その作物まで花粉をつくってしまうからです。処理した株の花穂は、絶対に摂取・販売・提供しないでください。余った溶液は排水口や水路に流さず、処分方法を供給業者に聞いてください。
訳者注:STSは硝酸銀とチオ硫酸ナトリウムからつくります。これらの購入・保管・使用にどのタイの規則が当てはまるかは、供給業者に確認してください。供給業者を探すときは、タイの正規の試薬販売代理店に問い合わせるか、育種ラボ(Breeders Lab)でほかの栽培者に聞いてください。最初は雌株1株か、枝1本だけで試してください。そうすれば、バッチ全体を危険にさらす前に方法を身につけられます。
5. 栽培規模に合わせた性別管理
| 規模 | 種子の種類 | 性別の確認方法 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 個人(1~10株) | 女性化種子 | プレフラワーの確認 | 開花の最初の1週間は毎日点検する |
| 中規模(10~50株) | 女性化種子+レギュラーシード(通常種子) | 分析機関でのDNA検査+プレフラワー | レギュラーシードには分析機関の検査を使う |
| 商業(50株以上) | 女性化種子(STSでつくったもの) | 分析機関でのDNA検査は必須 | 雄株1株で作物全体を失うことがある |
| 育種 | レギュラーシード | 分析機関でのDNA検査+表現型(株の目に見える特徴) | 屋外では、雄株を開花中の雌株から遠ざける |
訳者注:屋外で雄株をどこまで離せば安全かについて、統一された基準はありません。ヘンプの種子認証の規則では、国や種子の等級によって、数メートルから1,500 m超まで、さまざまな隔離距離が定められています。花粉は風に乗って運ばれるので、近くの農場の雄株があなたの株を受粉させることもあります。屋内では、雄株を空気の流れが別になった別室に置いてください。雄株の部屋から開花室に移るときは、服を着替えてください。
雌雄同体予防チェックリスト
- ✓ サイクルを始める前に毎回、光漏れを確認する。 ライトを消して閉め切った部屋に数分間立ち、どこかから光が入っていないか探します。光漏れはストレスによる雌雄同体の主な原因なので、見つけたらすべてふさいでください。
- ✓ 開花中の温度は20~26 °C、最高でも28 °Cに保つ。 こうすれば、ストレスがかかる30 °Cを十分に下回ります。
- ✓ pHを安定させる:水耕栽培では±0.3以内、土耕では±0.5以内。 この幅は、雌雄同体を引き起こす±1.0の変動よりずっと狭いものです。
- ✓ 適期に収穫する。 長く置きすぎた花穂にはナナーが出ます。
- ✓ 安定した遺伝系統を選ぶ。 安定した系統ほど、遺伝的な雌雄同体が少なくなります。
- ✓ 開花の最初の2週間は毎日確認する。 雄花が開く前に見つけられます。上の表にある「最初の1週間は毎日点検」を2週間に延ばしたものです。
6. 注目しておきたい研究(2024~2026年)
- CRISPR-Cas9でMonoecy1の遺伝子を編集し、雌雄同体にならない品種をつくる研究。 CRISPR-Cas9は、DNAを狙った位置で切断するゲノム編集ツールです。栽培者にとって期待できる成果は、雌雄同体にならない遺伝系統です。ただしセクション1で見たとおり、鍵となる遺伝子はまだ確認されていないため、今のところは研究の方向性にとどまります。大麻でこれらの遺伝子を編集した公表研究は見つかりませんでした。買えるものもまだありません。当面は、安定した遺伝系統を選び続けてください。
- 「雌雄同体になる可能性」を予測するエピジェネティック・マーカー。 エピジェネティックな目印とは、DNAの配列を変えずに遺伝子の使われ方を変える、DNA上の化学的な印です。これを使った検査があれば、手間をかける前に雌雄同体になりやすい株を見分けられるかもしれません。そうした検査が販売されている例は見つかりませんでした。DNAメチル化と雌雄同体の関係についての研究は、まだ初期の段階です。もしそうした検査が登場したら、自分の雌雄同体の記録を使ってその検査を評価できます。
- 現場でできるDNA検査(LAMP法):約30分で結果が出て、必要な機材は最小限。 LAMP(loop-mediated isothermal amplification、ループ介在等温増幅法)は一定の温度でDNAを複製するため、本格的な検査機器が要りません。ある研究では、雄マーカーのLAMP検査で、65 °C・30分後に結果が出ました。ただし試したサンプル数は少なく、さらなるバリデーション(妥当性確認)が必要です(Torres et al., 2022)。タイで大麻のLAMP性別検査が提供されているかは確認できませんでした。始めるなら、まず分析機関に問い合わせてください。本格的に頼る前に、小さなバッチで通常の分析機関の検査と結果を比べてください。
- 写真からプレフラワーを見つける人工知能(AI)。 その正確さを示した公表研究は見つかりませんでした。セカンドオピニオンとして使い、性別は目視か検査で確かめてください。
タイの法律に関する注意
この記事は、教育と科学のためだけに書かれたものです。大麻の花穂(ช่อดอกกัญชา)は、保健省告示「規制ハーブ(大麻)」仏暦2568年によって規制ハーブとされています。この告示はタイ伝統医療知識保護法 仏暦2542年(1999年)に基づいて出されたもので、2025年6月26日から施行されています。花穂を販売できるのは、PT 33(ภ.ท. 33)処方箋がある場合だけで、量は最大30日分までです。花穂の広告とオンライン販売は禁止されています。
2026年には、さらに仏暦2569年の2つの省令が出されました。規制ハーブに関する省令(第2号)仏暦2569年は2026年4月30日に施行され、大麻の花穂のライセンス基準を厳しくしました。大麻又はヘンプ抽出物に関する省令 仏暦2569年は、2026年4月26日に施行されました。
大麻の花穂の商業販売、加工、輸出にはライセンスが必要です。PT 33は花穂を調剤するための処方箋の様式で、栽培許可ではありません。1999年法の第78条により、ライセンスなしで規制ハーブを販売または加工すると、1年以下の懲役もしくは2万バーツ以下の罰金、またはその両方が科されます。嗜好目的での花穂の販売は認められていません。
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参考文献
- Prentout, D. et al. (2020). An efficient RNA-seq-based segregation analysis identifies the sex chromosomes of Cannabis sativa. Genome Research, 30(2), 164–172. doi:10.1101/gr.251207.119
- Prentout, D. et al. (2021). Plant genera Cannabis and Humulus share the same pair of well-differentiated sex chromosomes. New Phytologist, 231(4), 1599–1611.
- Toth, J.A. et al. (2020). Development and validation of genetic markers for sex and cannabinoid chemotype in Cannabis sativa L. GCB Bioenergy, 12(3), 213–222. doi:10.1111/gcbb.12667
- Mohan Ram, H.Y. & Sett, R. (1982). Induction of fertile male flowers in genetically female Cannabis sativa plants by silver nitrate and silver thiosulphate anionic complex. Theoretical and Applied Genetics, 62, 369–375. doi:10.1007/BF00275107
- Divashuk, M.G. et al. (2014). Molecular cytogenetic characterization of the dioecious Cannabis sativa with an XY chromosome sex determination system. PLoS ONE, 9(1), e85118.
- Mandolino, G. et al. (1999). Identification of DNA markers linked to the male sex in dioecious hemp (Cannabis sativa L.). Theoretical and Applied Genetics, 98, 86–92. doi:10.1007/s001220051043
- Toscani, M., Malik, A., Riera-Begue, A., Dowling, C., Rougemont, Q., Rodríguez de la Vega, R.C., Giraud, T., Schilling, S. & Melzer, R. (2026). Three closely linked X-chromosomal genes potentially control sex determination in Cannabis sativa. New Phytologist. doi:10.1111/nph.71185(プレプリント:2025年7月)
- Feder, C.L. et al. (2021). Fertilization following pollination predominantly decreases phytocannabinoids accumulation and alters the accumulation of terpenoids in Cannabis inflorescences. Frontiers in Plant Science, 12, 753847. doi:10.3389/fpls.2021.753847
- Torres, A. et al. (2022). High-throughput methods to identify male Cannabis sativa using various genotyping methods. Journal of Cannabis Research, 4, 57.
- Punja, Z.K. & Holmes, J.E. (2020). Hermaphroditism in marijuana (Cannabis sativa L.) inflorescences – impact on floral morphology, seed formation, progeny sex ratios, and genetic variation. Frontiers in Plant Science, 11, 718. doi:10.3389/fpls.2020.00718