カンナビノイドの仲間たち:カンナビゲロール、カンナビノール、デルタ8、アントラージュ効果と沸点(後編)

カンナビゲロール、カンナビノール、デルタ8は、大きな効能をうたって売られています。本記事では、それぞれの主張を根拠になった研究と照らし合わせます。その結果がシャーレ(実験皿)の上で示されたのか、マウスで示されたのか、それともヒトで示されたのかを確認します。


一般向けの記事の多くは、3種類のエビデンスを混同しています。シャーレでの結果、動物での結果、ヒトでの結果は、それぞれ別物です。本記事では、すべての化合物についてこの3つを分けて扱います。対象は、栽培者、店舗スタッフ、そしてラベルや種子の商品説明、分析証明書を読むすべての人です。分析証明書とは、サンプルに何が含まれているかを示す検査機関の報告書です。

本記事の内容は、治療を勧めるものではありません。タイでは、大麻の花穂は規制ハーブです。販売できるのはPT 33(ภ.ท.33)処方箋がある場合だけで、最長30日分までです。花穂の広告とオンライン販売は禁止されています。

前編では、カンナビノイドとは何か、植物がどのようにそれを作るのかを説明しました。また、テトラヒドロカンナビノール(THC)とカンナビジオール(CBD)について何がわかっているかも取り上げました。

本記事は後編です。前編:https://asiannabis.com/t/1307

後編で使う用語

  • カンナビノイド受容体: 細胞の表面にあるタンパク質で、形の合う分子が結合すると反応します。1型は脳に多く存在し、THCがこれを活性化すると酩酊が起こります。2型は主に免疫細胞にあります。
  • アゴニストとアンタゴニスト: アゴニスト(作動薬)は受容体を活性化します。アンタゴニスト(拮抗薬)は受容体をブロックします。
  • 酸型: 生きている植物は、まずTHCAやCBDAなどの酸型を作ります。熱を加えると、これらはTHCやCBDに変わります。

カンナビゲロール(CBG)

植物が最初に作る出発物質はカンナビゲロール酸(CBGA)です。カンナビゲロール(CBG)は、その中性型です。植物は成長とともに、CBGAを他のカンナビノイド酸に変えていきます。収穫の時点では、その大部分がすでに変換されています。CBGが通常ごく微量しか含まれないのはこのためです。

2010年、Cascioらは British Journal of Pharmacology 誌で、CBGの作用の仕方を報告しました。CBGは、α2アドレナリン受容体に対して強力なアゴニストとして働きます。これはアドレナリンとノルアドレナリンに反応する受容体です。また、5-HT1Aに対してはアンタゴニストとして働きます。5-HT1Aは、脳内の化学物質セロトニンの受容体です。カンナビノイド受容体への結合はごく弱いものです。

抗菌作用の研究はシャーレとマウスで行われたもので、ヒトではない

2020年、Farha、Brownらは ACS Infectious Diseases 誌に研究を発表しました。彼らは、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、methicillin-resistant Staphylococcus aureus)に対してカンナビノイドを試験しました。MRSAは、よく使われる抗生物質のいくつかが効かない細菌です。この分野の研究は、抗菌剤としての大麻で詳しく取り上げています。

何で試験したか CBGの結果 意味
シャーレ 最小発育阻止濃度が1ミリリットルあたり2マイクログラム以下だった7つの化合物のひとつ 最小発育阻止濃度とは、細菌の増殖を止められる最も低い濃度のことです
全身に感染が広がったマウス バンコマイシンとほぼ同等の効果 バンコマイシンは、病院でMRSAに使われる標準的な抗生物質です
その他の細菌 単独ではグラム陰性菌に対する活性なし グラム陰性菌は、外側にもう1枚の膜を持つ細菌の大きなグループです

つまり、エビデンスはシャーレとマウスで得られたものです。CBGを抗菌剤としてヒトで試した臨床試験は存在しません。血中に取り込む場合の安全な用量も、ヒトでは確立されていません。

ヒトでの唯一の試験

2024年、Cuttlerらは Scientific Reports 誌に、CBGのヒト試験を発表しました。この試験は二重盲検で、参加者も研究者も、誰が何を摂取したかを知らない方法で行われました。また、プラセボ対照のクロスオーバー試験でした。各参加者は1週間の間隔をあけて、CBGとプラセボの両方を摂取しました。

参加者は、すでに大麻を使用している健康な成人34人です。ヘンプ由来のCBGを20 mg、1回だけ摂取しました。CBGの摂取後、自己申告による不安とストレスは、一部の時点で低下しました。気分には変化がありませんでした。

研究者自身が、この試験の限界を明記しています。対象者は少人数で、健康な大麻使用者に限られていました。用量は控えめで、試験は遠隔で行われました。また、多重比較補正も行っていません。これは、多くの項目を測定したときに偶然の結果が出るのを減らすための統計上の調整です。

訳者注:種子の商品説明の中には、「高CBG」品種として売られているものがあります。通常、CBGの大部分は収穫までに変換されています。そのため、種子をまとまった量で買う前に、その品種を実際に育てた株の検査報告書を販売者に求めてください。そのうえで小さなテストバッチを育てて検査に出し、自分の環境でその品種がどんな結果になるかを確かめましょう。

できること: CBGの抗菌作用や抗不安作用を、証明済みのことのように人に伝えないでください。触れる場合は、何が根拠なのかを正確に伝えましょう。抗菌作用の根拠はマウスです。不安についての根拠は、健康な34人に1回だけ投与した試験1件です。

カンナビノール(CBN)

植物は、カンナビノール(CBN)を作ろうとして作っているわけではありません。CBNは、THCが酸化する、つまり酸素と反応することで生じます。時間、空気、光、熱のどれもが、この反応を速めます。したがって、CBN値が高いサンプルは、その古さと保管状態を物語っています。

現在、CBNはほぼ睡眠補助の用途だけで販売されています。2021年、Corroonという研究者が、この主張を Cannabis and Cannabinoid Research 誌で検証しました。論文のタイトルは「Cannabinol and Sleep: Separating Fact from Fiction」です。Corroonが明らかにしたのは次の点です。

  • 妥当性が確認された睡眠質問票を使った臨床試験はない(睡眠を信頼性高く測れることが検証済みの、標準的な質問票のこと)
  • 終夜睡眠ポリグラフ検査による研究はない(睡眠検査室で一晩かけて、脳波・呼吸・体の動きを記録する検査のこと)
  • ヒトでの研究のほとんどは1970〜80年代のもので、対象人数も少ない
  • CBNにそもそも大麻のような作用があるかどうかについてはエビデンスが分かれており、ほとんどの研究では作用がないと示されている

訳者注:タイの保管庫は30〜35 °Cになることが多く、停電でエアコンが止まることもあります。熱はTHCからCBNへの酸化を速めます。そのため、暑い部屋に置いた在庫は早く劣化します。容器や保管条件については、乾燥させた大麻の花穂の保存を参照してください。

できること: 保管していたバッチを再検査するときは、CBNとTHCの数値を最初の検査報告書と比べてください。CBNが増えてTHCが減っていれば、THCが分解しています。在庫を密閉容器に移して、より涼しく暗い場所に置きましょう。古い在庫から先に使ってください。

研究の少ないカンナビノイド

テトラヒドロカンナビバリン(THCV)

THCVは、THCと同じ基本構造を持っています。ただし、側鎖が短いプロピル鎖になっている点が異なります。曝露量が少ないときは、THCとほぼ逆の働きをします。

2025年、Haghdoostらは Cannabis and Cannabinoid Research 誌に、THCVに関する見解論文(perspective article)を発表しました。実際に問題となるほとんどの用量で、THCVはカンナビノイド受容体1型のアンタゴニストとして働き、受容体をブロックします。アゴニストとして働くのは、高用量のときだけです。ヒトでは、10 mgを経口摂取したときの主観的な作用は、プラセボと区別がつきませんでした。

カンナビクロメン(CBC)

2024年、Sepulvedaらは Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics 誌で、CBCに関するレビューを発表しました。それによると、CBCはカンナビノイド受容体2型のアゴニストで、結合の強さはTHCとほぼ同じです。1型での作用については、見解が分かれています。また、TRPA1に対して強力なアゴニストとして働きます。TRPA1は、神経が刺激物を感知するために使うチャネルです。

ヒトでのデータは、薬物動態研究2件だけです。これらの研究は、体が化合物をどう吸収し、どう排出するかを調べるものです。効果があるかどうかを調べるものではありません。レビューの著者らは、CBC製品が安全性や有効性のエビデンスをほとんど持たないまま販売されていると指摘しています。

カンナビジバリン(CBDV)

CBDVとCBDの関係は、THCVとTHCの関係と同じです。CBDVは、抗けいれん薬、つまり発作を抑える薬の候補として研究されました。

研究は、焦点発作のある成人を対象とした第2相試験まで進みました。焦点発作とは、脳の一部分から始まる発作です。第2相試験とは、患者を対象に行う中間段階の試験です。この試験は、主要評価項目を達成できませんでした。主要評価項目とは、その試験で示すことを目的としていた主な結果です。その後の自閉スペクトラム症での研究も、承認された用途にはつながっていません。

できること: THCV、CBC、CBDVを健康効果をうたって販売している製品があれば、その主張を裏付けるヒト研究はどれかを販売者に尋ねてください。上記のレビューでは、3つのどれについても、効果を示すヒト研究は見つかっていません。

デルタ8と半合成カンナビノイド

デルタ8とは何か

デルタ8-テトラヒドロカンナビノール(デルタ8-THC)は、大麻に天然に含まれていますが、ごく微量です。2022年、KrugerとKrugerは Journal of Cannabis Research 誌でデルタ8について解説しました。デルタ8は、通常のデルタ9-THCよりもカンナビノイド受容体1型への結合が弱い物質です。1973年の研究では、効力はデルタ9の約3分の2とされました。つまり、デルタ8はTHCの作用が弱い近縁物質ですが、それでも酩酊作用があります。

実際にはどう作られているか

注目すべきなのは、供給の流れです。植物にはデルタ8が微量しか含まれないため、市販のデルタ8は抽出されたものではありません。CBDから作られています。酸を使ってCBDの分子を組み替え、デルタ8にするのです。化学者はこの工程を、酸触媒異性化と呼びます。

同じ方法で、ヘキサヒドロカンナビノール(HHC)も作られます。どちらも半合成カンナビノイドです。半合成カンナビノイドとは、植物から取り出した化合物を化学的に変化させて作ったものです。

2022年5月、米国の医薬品規制当局である米国食品医薬品局(FDA)は、3つの点を公表しました。1つ目は、濃縮されたデルタ8は通常、ヘンプ由来のCBDから作られていることです。2つ目は、FDAに有害事象の報告が寄せられており、その中には病院での治療が必要になった例も含まれることです。3つ目は、アメリカの中毒センターに、2021年1月から2022年2月までの間に2,362件の曝露事例が寄せられていたことです。

純度の問題

この変換は、きれいには進みません。さまざまな化合物が混ざった状態で残り、その混合物こそが問題です。

2022年、Rayらは Molecules 誌で、デルタ8製品10点を分析しました。その結果、製品の分析証明書に記載された内容をはるかに超える不純物が見つかりました。検出された化合物の中には、カンナビノイドとして同定されていないものもあります。そのため、ヒトへの作用は誰にもわかりません。

KrugerとKrugerが引用した検査では、デルタ8として売られている製品から、1.3〜5.3%のデルタ9-THCが検出されました。重金属も見つかっています。デルタ8という分子そのものは、よく理解されています。しかし、その名前で売られている製品はそうではありません。

定まっていない法的位置づけ

地域 執筆時点での位置づけ
タイ(花穂) 大麻の花穂は、保健省告示「規制ハーブ(大麻)」仏暦2568年により、規制ハーブとされています。この告示は、タイ伝統医療知識保護振興法 仏暦2542年に基づいて出されたもので、2025年6月26日から施行されています。販売できるのはPT 33処方箋がある場合だけで、最長30日分までです。花穂の広告とオンライン販売は禁止されています。2026年4月30日に施行された規制ハーブに関する省令(第2号)仏暦2569年により、花穂の許可基準が厳しくなりました
タイ(抽出物) THC 0.2%を超える抽出物は、引き続き麻薬法典上の第5種麻薬です。大麻又はヘンプ抽出物に関する省令 仏暦2569年(2026年4月26日施行)により、THC 0.2%を超える抽出物の許可は限られた対象にしか与えられません。対象は、外国人事業法 仏暦2542年上の「外国人」に当たらないタイの法人、国の機関、タイ赤十字社です
タイ(半合成品) 本記事の確認時点では、デルタ8やHHCを名指ししたタイの法令は見つかりませんでした。法的な位置づけは定まっていません。花穂でさえ処方箋が必要な制度です。その中で、THCが0.2%を超え、酩酊作用もある抽出物を、許されているものと考えてはいけません。大麻管理法案(Cannabis Control Act)は、まだ法律になっていません。内閣は2026年9月22日に法案を承認し、下院に送りました。成立するまでは、頻繁に変わる告示や規則がルールの土台になっています
欧州連合(EU) EUが毎年出している薬物に関する報告書『欧州薬物報告書(European Drug Report)2025』では、ヨーロッパ27か国でHHCが確認されています。少なくとも22の加盟国で規制対象になっています
アメリカ 2025年11月に成立した連邦法は、ヘンプ製品のTHC総量に1容器あたり0.4 mgの上限を設けました。また、植物の外で合成されたカンナビノイドを、ヘンプ製品から除外しています。2026年9月2日に署名された予算法(H.R. 6500)により、0.4 mgの上限と、天然由来のヘンプTHCに関するその他のルールは、2026年12月11日に先送りされました。植物が作り出せない合成カンナビノイドの除外は、引き続き2026年11月12日から適用されます

どの地域でも、流れは同じです。「厳密には規制対象の分子ではない」と販売者が主張できる抜け穴を、規制当局はふさぎつつあります。

訳者注:CBDをデルタ8やHHCに変えるのは、化学的な工程です。タイの許可制度でこれがどう扱われるかは、明確ではありません。規制ハーブの加工として扱われる場合、許可なく行うと、タイ伝統医療知識保護振興法(仏暦2542年=1999年)第78条による罰則の対象になります。罰則は、1年以下の懲役、20,000バーツ以下の罰金、またはその両方です。これらの製品が合法な地域であっても、中身がわからないことはよくあります。

できること: 許可当局から書面で回答をもらうまでは、タイでデルタ8やHHCの製品を製造したり、購入したり、在庫として置いたりしないでください。客がこうした製品を持ち込んだ場合は、その検査報告書を見せてもらいましょう。報告書では、デルタ9-THC、同定されていない化合物、重金属の項目を確認してください。

アントラージュ効果

アントラージュ効果とは、大麻の成分は組み合わさると、単独のときとは異なる作用を生むという考え方です。検証すべき仮説としては、妥当なものです。しかし売り文句としては、エビデンスが示す範囲をはるかに超えた主張になっています。

Simeiらは、この効果が実在するのかを正面から問いました。彼らは Cannabis and Cannabinoid Research 誌に、ナラティブ・スコーピングレビューを発表しました。スコーピングレビューとは、ある問いについてどんな研究があるかを整理し、全体像を示すものです。彼らが見出したのは、次の3点です。

  • 効果が安定していて予測できるというエビデンスは限られている
  • 前臨床の結果(細胞や動物での研究)は、互いに食い違っている
  • この考え方に基づく治療の有効性や安全性のエビデンスは限られている

彼らは、業界、メディア、臨床医に対して、アントラージュ効果を証明済みのものとして扱わないよう求めました。

実際に示されていることは、ごく限られています。2021年に Scientific Reports 誌に掲載された論文では、大麻のテルペンのいくつかがカンナビミメティックであることがわかりました。つまり、カンナビノイドに似た働きをするということです。その一部は、カンナビノイドの活性を選択的に高めました。これらは、細胞とげっ歯類での実験です。

それ以上のことは、すべて推測による拡大解釈です。例を2つ挙げます。1つは、全草(ホールプラント)製品のほうがヒトで確実によく効くという主張です。もう1つは、あるテルペンプロファイルが、名前のついた特定の作用を生むという主張です。販売者がこの言葉を使うのは、植物の複雑さを売りにできるからです。さらに、その製品自体の試験を一切しなくても、高い価格を正当化できます。

できること: アントラージュ効果をうたって売られている製品があれば、まさにその製品がヒトで試験されたかどうかを尋ねてください。試験されていなければ、検査で測定された成分だけで、その製品を説明しましょう。

沸点、そして公開されているチャートの数値が食い違う理由

人気のウェブサイトに載っている沸点の数値には、出典も圧力も書かれていないことがよくあります。Turovskyらは、この値をきちんと測定し、Journal of Cannabis Research 誌に発表しました。彼らは2つの方法を使いました。熱重量分析は、サンプルを加熱しながら重さを量り、いつ蒸発するかを調べる方法です。示差走査熱量測定は、サンプルがどれだけの熱を吸収するかを測る方法です。

これらの測定から、大気圧での標準沸点を次のように推定しました。

  • デルタ9-THC:245 ± 6 °C
  • THCV:378 ± 4 °C

研究者らの説明では、THCの沸点として広く引用されている157 °Cという数値は、減圧下での沸点を指している可能性が高いとのことです。初期の研究では、真空下157 °CでTHCを蒸留したと報告されていました。圧力が低いほど、沸点は下がります。そのため、真空下での数値は、通常の気圧で測った数値よりはるかに低くなります。圧力や出典が示されていない沸点は、信用できません。

できること: ヴェポライザーの温度チャートに圧力と出典が書かれていなければ、その数値に頼らないでください。ヴェポライザーの設定を投稿するときは、どのチャートを使ったかを必ず書き添えましょう。

主なカンナビノイドの比較

カンナビノイド 酩酊作用 受容体での主な作用 ヒトでのエビデンス 沸点
デルタ9-THC あり 1型・2型の部分アゴニスト カンナビノイドの中で最も強い。3つの症状分野で「決定的」または「十分」と評価され、害も記録されている 245 ± 6 °C
CBD なし 1型の負のアロステリック調節因子 発作を伴う3つの疾患でランダム化試験のエビデンスあり。それ以外では弱いか、ない 記録なし
CBG なし α2アドレナリン受容体のアゴニスト、5-HT1Aのアンタゴニスト シャーレとマウスでの抗菌データ、小規模な試験1件 記録なし
CBN ほとんどなし 1型への結合は弱い 非常に乏しい。現代的な対照睡眠試験は見つかっていない 記録なし
THCV 曝露量が少なければなし 実際に問題となるほとんどの用量で1型のアンタゴニスト 小規模なヒト研究が数件 378 ± 4 °C
CBC なし 2型のアゴニスト、TRPA1の強力なアゴニスト 薬物動態研究2件のみ 記録なし
CBDV なし CBDの近縁物質 発作を対象とした第2相試験で主な結果を達成できず 記録なし
THCA なし THCのようには1型に作用しない 化学と安定性のデータのみ 加熱するとTHCに変わる
CBDA なし 前駆体で、CBDとは別物 実験室と動物でのデータのみ 加熱するとCBDに変わる
デルタ8-THC あり 1型のアゴニスト(デルタ9より弱い) 分子はよく解明されているが、その名前で売られている製品はそうではない 記録なし

沸点を空欄にしているのは、意図的なものです。数値は広く出回っていますが、これらの化合物について、出典をたどれる測定値は存在しません。

この表からは、はっきりした傾向が読み取れます。THCという1つの化合物には、ヒトでの確かなエビデンスと、記録された害があります。CBDという1つの化合物には、規制当局が審査した限られた用途があり、その周りに多くの宣伝文句が作られています。残りの化合物のエビデンスは乏しいものです。

身につけたい習慣をひとつ

ラベル、種子の商品説明、SNSの投稿でカンナビノイドに関する主張を見かけたら、毎回2つのことを確認してください。1つ目は、その結果がシャーレ、マウス、ヒトのどれで示されたのかです。2つ目は、どの用量や曝露量での結果なのかです。その主張を人に伝える前に、2つの答えを主張の横に書き留めておきましょう。

訳者注:タイでは、大麻の花穂の広告は禁止されています。店舗や農場のためにこうした主張を投稿する前に、大麻の広告・販売ルールを読んでください。

エビデンスに合わない形でカンナビノイドが説明されているのを見かけたら、このトピックの下の返信欄にその主張を投稿し、どこで見たかを書いてください。ほかのメンバーが、ここに挙げた研究と照らし合わせて確認できます。

参考文献(後編)

元記事では、出典は本文中にだけ示され、リンクはありませんでした。ここでは元記事の記載どおりに挙げます。

  1. Cascio ら. α2アドレナリン受容体および5-HT1A受容体におけるカンナビゲロールの薬理. British Journal of Pharmacology, 2010.
  2. Farha, Brown ら. メチシリン耐性 Staphylococcus aureus に対するカンナビノイドの抗菌活性. ACS Infectious Diseases, 2020.
  3. Cuttler ら. 健康な成人34人を対象としたカンナビゲロール20 mgの二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験. Scientific Reports, 2024.
  4. Corroon. “Cannabinol and Sleep: Separating Fact from Fiction”. Cannabis and Cannabinoid Research, 2021.
  5. Haghdoost ら. “Tetrahydrocannabivarin is Not Tetrahydrocannabinol”(見解論文). Cannabis and Cannabinoid Research, 2025.
  6. Sepulveda ら. カンナビクロメンのレビュー. Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics, 2024.
  7. 焦点発作のある成人を対象としたカンナビジバリンの第2相試験(元記事に書誌情報の記載なし).
  8. Kruger, Kruger. デルタ8-テトラヒドロカンナビノールのレビュー. Journal of Cannabis Research, 2022. 1973年の効力研究と、デルタ9および重金属に関する製品検査を引用している.
  9. アメリカ食品医薬品局. デルタ8-テトラヒドロカンナビノールに関する声明, 2022年5月.
  10. Ray ら. デルタ8製品10点の分析. Molecules, 2022.
  11. European Drug Report(欧州薬物報告書), 2025.
  12. ヘンプ製品に関する2025年11月のアメリカ連邦法(P.L. 119-37). 天然由来のヘンプTHCに関するルールは、H.R. 6500(2026年9月)により2026年12月11日に先送りされた。合成カンナビノイドの除外は2026年11月12日から適用される。
  13. Simei ら. “Does the ‘Entourage Effect’ in Cannabinoids Exist? A Narrative Scoping Review”. Cannabis and Cannabinoid Research, 2024.
  14. カンナビミメティックなテルペンに関する論文. Scientific Reports, 2021.
  15. Turovsky ら. 熱重量分析と示差走査熱量測定によるカンナビノイドの沸点. Journal of Cannabis Research, 2025.

本記事は、Asiannabis Communityによる医療用大麻の教育シリーズの一部です。一般的な情報であり、医学的な助言ではありません。治療に関する判断は、資格を持つ医療従事者が行います。本コンテンツは、医療用大麻が法的に認められている地域での教育を目的としています。