ボトル入りの市販品でも自家製でも、肥料は最終的に、水に溶けた数種類の同じ養分として根に届きます。肥料ごとに違うのは、養分が根に届くまでの経路と効き始める速さです。土の中の生き物への影響も違います。この記事では、4つの養分の与え方を比べます。無機肥料、ボトル入り有機肥料、リビングソイル、不耕起栽培の4つです。また、リビングソイルの基本レシピをメートル法の単位で紹介します。最後に、混合土の熟成方法と、30〜35 °Cの環境で微生物を生かし続ける方法を説明します。
目次
- 無機肥料と有機肥料:養分は同じ、届く経路が違う
- 土壌食物網:実際に養分を届けているのは誰か
- リビングソイル:その仕組みと基本レシピ
- 熱帯の暑さの中、植え付け前に混合土を熟成させる
- 30〜35 °Cで土壌生物を生かし続ける
- 不耕起栽培:作付けの合間に土を耕さない
- コンポストティーと韓国自然農業
- 有用微生物:研究で分かったこと
- 4つの方法を比較する
- リビングソイルの始め方:ステップごとの手順
1. 無機肥料と有機肥料:養分は同じ、届く経路が違う
無機(合成)肥料
- 養分はすでにイオンとして水に溶けています。イオンとは電気を帯びた粒子です。根が直接取り込めるので、植物はすぐに吸収できます。
- 与える量を正確にコントロールできます。NPK(窒素・リン・カリウム)の比率を自分で決められます。EC(電気伝導度。水に溶けている肥料塩の量を示す数値)とpHも自分で設定できます。
- 主な用途:水耕栽培システムやココヤシ繊維向けの、ボトル入り無機肥料シリーズ。
有機肥料
- 養分は有機物の中に閉じ込められています。植物が使えるようになるには、まず土壌微生物がその有機物を分解しなければなりません。
- 効き目は遅いですが、使い続けるうちに土が良くなっていきます。
- 例:ボトル入り有機肥料シリーズ、家畜ふん、油かす(種子から油を搾った後に残るかす)、グアノ(海鳥・コウモリの糞肥料)。
植物には、養分の出どころは分かりません。どちらの場合も、植物が取り込む形は同じです。アンモニウム(NH4+)、硝酸(NO3−)、リン酸(H2PO4−)、カリウム(K+)です。本当の違いは経路にあります。ボトルから直接届くか、土壌生物の働きを通って根に届くかの違いです。
やること: 今使っている肥料のラベルを読んでください。原料が無機塩類か有機原料かを書き留めます。これで、あなたの施肥が土壌生物を通っているのか、素通りしているのかが分かります。
2. 土壌食物網:実際に養分を届けているのは誰か
土壌食物網とは、土の中の生き物どうしのつながりです。この生き物たちが、有機物を植物の養分に変えています。
- 細菌と菌類は有機物を分解します。養分を自分の体内に蓄えるので、水やりをしても養分が流れ出ません。
- 原生動物(単細胞の生き物)と線虫(顕微鏡でしか見えない小さな虫)は細菌を食べます。そのとき、余った窒素とリンを、植物が吸収できる形で放出します。
- ミミズは土の中に通り道を掘り、空気を入れます。養分たっぷりの糞も残します。
- 菌根菌は根に住みつき、根を延長したような働きをします。リンの吸収を高めることがあります。
無機肥料を濃く与えると(ECが高いと)、この仕組みが死んだり、大きく縮んだりすることがあります。塩類の濃度が高いと、特に菌根菌が大きな害を受けます。
やること: リビングソイルに切り替えた鉢には、もう無機塩類の肥料を入れないでください。入れると、お金を払って入れた微生物を自分で殺すことになります。鉢から流れ出る排水のECを月に1回測ってください。数値が上がってきたら、植物に症状が出る前に塩類集積に気づけます。
3. リビングソイル:その仕組みと基本レシピ
リビングソイルとは
リビングソイルとは、有機物を豊富に含み、微生物が活発に増えている混合土です。植物に養分を与えるのはあなたではなく、土です。あなたの仕事は水やりと、ときどき新しい改良材を土の表面に足すことです。この表面への施肥を「トップドレッシング」と呼びます。
基本レシピ(Coots Mix)
次のレシピは、有機栽培者の間で「Coots Mix」として広く共有されている混合土を改良したものです。名前は、ネット上でClackamas Cootの名で知られる栽培者に由来します。彼のオリジナル版には、ロックフォスフェートや骨粉のようなリンの多い改良材は入っていません。これらが菌根菌の働きを抑えることがあるからです。
ベースミックス(容積比):
- 1/3:スファグナムピートモス、またはココヤシ繊維
- 1/3:通気材(軽石、パーライト、またはもみ殻)。混合土に空気を保ち、根と微生物が呼吸できるようにします。
- 1/3:堆肥とミミズ堆肥(ワームキャスティング)
ベースミックス約30 Lに加える乾燥改良材。 「カップ」はアメリカの台所で使う容積の単位で、約240 mLです。重さではなく容積で量ってください。
| 改良材 | 量 | 供給するもの |
|---|---|---|
| ニームケーキ(ニームの種の搾りかす) | 1カップ(約240 mL) | ゆっくり効く窒素 |
| ケルプミール(海藻粉末) | 1カップ(約240 mL) | カリウム、微量要素、天然の植物生長物質 |
| 甲殻類ミール(カニやエビの殻を粉にしたもの) | 1カップ(約240 mL) | 窒素、カルシウム、キチン。キチンは有用な土壌菌であるTrichodermaのエサになります |
| ロックフォスフェートまたは骨粉 | 1/2カップ(約120 mL) | ゆっくり効くリン |
| 石膏 | 1/2カップ(約120 mL) | カルシウムと硫黄(pHは変えない) |
| 玄武岩の粉末 | 1/4カップ(約60 mL) | 微量要素とケイ素 |
| 菌根菌(Glomus intraradices) | 植え穴に振りかける | 根への定着 |
Glomus intraradicesは古い学名で、この種は現在Rhizophagus intraradicesと呼ばれています。Rhizophagus irregularis(第8章)とは別の種です。ところが、広く使われている菌株DAOM 197198は、長年「Glomus intraradices」として販売・研究されてきました。この菌株は、2009年にR. irregularisに属すると示されています。つまり、ラベルにGlomus intraradicesとあっても、中身はR. irregularisかもしれません。名前だけでなく、ラベルに書かれた種と菌株を確認してください。
混ぜ終わった土は、植え付け前に2〜4週間熟成させてください。その間に微生物が改良材を分解し、混合土のバランスが落ち着きます(第4章)。
訳者注: これらの材料には、タイでは輸入品のものと、国内に代わりの材料があるものがあります。
- ピートモスは輸入品です。ココヤシ繊維は国内で作られ、広く売られています。国産のココは使う前に水ですすぎ、すすぎ水のECを確認してください。バッチによっては塩分を含んでいるからです。
- もみ殻は国内で出る副産物で、通気材として役に立ちます。パーライトは園芸店で売っています。本物の軽石は見つけにくいです。タイのホームセンターや園芸店の一部では、輸入の火山石(หินภูเขาไฟ)を売っています。軽い軽石なのか、それより重い溶岩石なのかを確かめてください。
- タイ産のミミズ堆肥は簡単に手に入りますし、自分で作ることもできます。
- ケルプミール、甲殻類ミール、玄武岩の粉末、ニームケーキは、国内では見つけにくいことがあります。これらを前提にバッチを計画する前に、販売業者に問い合わせてください。
- タイでは、肥料は肥料法 仏暦2518年(1975年)の規制を受けます。この法律は肥料法(第2号)仏暦2550年(2007年)で改正されています。袋入りの改良材を買う前に、登録とラベルを確認してください。そうすれば、袋の中身が実際に何なのかが分かります。
- 他の農場から買った堆肥や土から、キノコバエ、根の害虫、病気が入ることがあります。新しい仕入れ先のものは、バッチ全体に混ぜる前に数鉢で試してください。
やること: 部屋全体の分を混ぜる前に、30 Lの試験バッチを1つ作ってください。作物全体を危険にさらさずに、地元の材料がどう反応するかが分かります。
4. 熱帯の暑さの中、植え付け前に混合土を熟成させる
方法は簡単です。混合土を2〜4週間置き、湿った状態を保ち、週に1回切り返します。
訳者注: ニームケーキと甲殻類ミールは微生物にとっての生のエサで、まだ植物の養分にはなっていません。微生物がこれらを分解している間は、混合土が熱を持ち、アンモニアを出すことがあります。この段階で植えると、根が焼けることがあります。熟成させれば、この段階が過ぎてから植物を植えられます。
暖かい気候では、ふつう微生物の働きが速くなります。それでも、日数だけを見て熟成期間を縮めないでください。混合土の状態で判断します。
- 完成: ツンとするアンモニア臭がない。手を差し込んでも、気温より温かくない。森の土のような匂いがする。
- 水分が多すぎる: 酸っぱい匂いや、腐った卵のような匂いがする。空気が入っていない状態です。混合土を広げて切り返し、少し乾かしてください。
- ちょうどよい水分: 固く絞ったスポンジくらい。ひと握り絞ったとき、水が流れ出るのではなく、数滴落ちる程度です。
雨季は屋根の下で熟成させるか、ブルーシートで覆って、雨が染み込まないようにしてください。一年中、日陰に置きます。直射日光の当たる黒い袋は、熱くなりすぎて乾いてしまうことがあります。念のため、混合土を入れた小さな鉢に、早く育つ野菜の種を数粒まいてください。芽が出て緑のまま育てば、その混合土はあなたの植物に使っても安全です。
やること: 袋に開始日を書いてください。切り返すたびに、匂いと水分を確認します。植え付けは最低2週間たってから、しかもアンモニア臭が消えてからにしてください。
5. 30〜35 °Cで土壌生物を生かし続ける
訳者注: 土壌微生物と菌根菌には、水分、空気、エサが必要です。暑いと土は早く乾き、乾ききった土では生き物の多くが失われます。次の手順で被害を減らせます。
- 大きな鉢やレイズドベッドを使う。 土が多いほど、温度や水分の変化がゆるやかになります。
- 鉢の側面に日光を当てない。 明るい色の鉢や不織布ポットは、黒いプラスチック鉢より熱くなりにくいです。熱を放つむき出しのコンクリートの上に鉢を置かないでください。
- 土の表面をマルチで覆う(第10章のステップ6)。
- 早朝に水やりする。 リビングソイルを完全に乾かさないでください。
- 測る。 プローブ式の温度計を1つの鉢に10 cm差し込み、1週間、毎日14:00に温度を読みます。微生物のせいにする前に、鉢が熱くなりすぎていないかが分かります。
- ECを低く保つ。 無機塩類の肥料は入れないでください(第2章)。
- 微生物資材はラベルの指示どおりに保管する。 暑い車内や暑い棚に置いたままの資材は、使う前に微生物が死んでいるかもしれません。
やること: 今週、ステップ5を実行してください。その測定値をもとに、日よけ、大きな鉢、マルチのどれを先に用意するか決めます。
6. 不耕起栽培:作付けの合間に土を耕さない
基本の考え方
不耕起栽培では、作付けの合間に土を耕したり入れ替えたりしません。古い茎を根元で切り、根はその場で腐らせます。サイクルの合間には、トップドレッシングをして被覆作物を育てます。被覆作物とは、収穫のためではなく、土を守り土に養分を与えるために短期間育てる作物です。
報告されているメリット
- 菌類のネットワークがそのまま残る。 菌糸は、かき回されていない土の中に広がります。耕すと、菌糸がちぎれてしまいます。
- 作物への影響を測った圃場試験がある。 F. T. Chaconらの研究(2025年、Journal of Medicinally Active Plants)では、アメリカ・ペンシルベニア州で、CBGを多く含むヘンプの栽培品種(カルティバー)を2つ育てました。一方の圃場は被覆作物を使った不耕起栽培、もう一方は従来どおり耕した圃場です。4種類のカンナビノイドの含有量が、2つの圃場で有意に違いました。CBD、CBDA(カンナビジオール酸。生きた植物の中にある、CBDの元の形)、CBG(カンナビゲロール)、THCです。ただし、違いの向きは品種ごとに異なりました。CBDは、一方の品種では不耕起のほうが約2倍高く、もう一方の品種では耕起のほうが1.5倍高くなりました。THCは耕起のほうが最大6倍高くなりました。2つの品種でテルペンの組成に違いが出たのは、耕起した圃場だけでした。この研究からは、不耕起栽培で品質が全面的に上がるとは言えません。方法のどの部分が違いを生んだのかも分かっていません。
- 時間とともに土が良くなる。 作付けのたびに、前の作より良く育つと報告されています。
- 費用が少なくて済む。 新しい土を買う必要がなく、肥料も少なくて済みます。
訳者注: 不耕起栽培には現実的なリスクが1つあります。病気がベッドに残ることです。ある作で根腐れ病や土壌害虫が出たら、そのベッドに植え直す前に原因を取り除いてください。雨季は、水がたまらないよう排水の良いベッドを使ってください。
大麻と組み合わせる被覆作物
- クローバー: 窒素を固定し(根に住む細菌が空気中の窒素を取り込みます)、土の湿り気を保ちます。
- ダイコン: 深く伸びる根が、固く締まった土をほぐします。
- ソバ: 益虫(有益昆虫)を呼び寄せ、リンを放出します。
- 新しいサイクルの前に被覆作物を刈り取り、マルチとして土の表面に残します。
訳者注: この3つの作物は、温帯の気候に合わせて選ばれたものです。低地の暑さの中で頼りにする前に、小さなベッドで試してください。タイの農家は、サンヘンプ(ปอเทือง、Crotalaria juncea)など地元のマメ科植物を緑肥としてよく使います。大麻のサイクルの合間に使った試験は見つからなかったので、まず1つのベッドで試してください。
やること: 1つのベッドで1サイクルだけ不耕起栽培を試し、いつもの方法で育てるベッドと並べてください。2つのベッドの収量と分析結果を比べます。あなたの条件でこの方法が割に合うかどうかが分かります。
7. コンポストティーと韓国自然農業
通気式コンポストティー
コンポストティーは、堆肥の成分を水に溶かし出した液です。24〜36時間空気を送り込み、好気性微生物(酸素を必要とする微生物)を一気に増やします。栽培者はこれを、「actively aerated compost tea(強く通気したコンポストティー)」の略でAACTと呼びます。
レシピ:
- ミミズ堆肥:1カップ(約240 mL)
- 糖蜜:大さじ1(約15 mL)、微生物のエサとして
- 塩素を抜いた水:5米ガロン(約19 L)
作り方:
- 観賞魚用のエアポンプで、24〜36時間強く空気を送ります。
- 空気を止めたら、すぐに使います。空気がないと微生物はすぐに死に、液は嫌気性(酸素のない状態)になります。
- 根元に注ぐか、早朝に葉に散布します。
訳者注: 停電でポンプが止まると、ティーは嫌気性になり始めます。ポンプが何時間も止まっていて、液が酸っぱい匂いになっていたら、植物には与えないでください。代わりに堆肥の山にかけます。小型の電池式ポンプやUPS(無停電電源装置。停電中も電気を送り続けるバッテリー装置)があれば、これを防げます。水温が高いと溶ける酸素が少なくなるので、日陰で作り、強力なポンプを使ってください。開花期には花穂に散布しないでください。特に雨季は、濡れた花穂が灰色かび病(ボトリティス)の原因になります。バンコクの首都圏水道公社は、水道水を塩素で消毒しています。水を24時間汲み置きすると塩素は抜けますが、クロラミンは抜けません。バンコク以外の地域では、地元の水道局にどちらを使っているか問い合わせてください。
韓国自然農業
韓国自然農業(KNF、Korean Natural Farming)は、韓国で生まれた低コストの方法です。農家は地元の材料を発酵させて、植物に与える資材を自分で作ります。
- 発酵植物液(FPJ): 若葉と黒砂糖を1:1で合わせ、7日間発酵させます。
- 魚のアミノ酸液(FAA): 魚と黒砂糖を1:1で合わせ、3〜6か月発酵させます。
- 乳酸菌液(LAB): 米のとぎ汁を発酵させ、それを牛乳と混ぜます。
KNFは材料が安く、手に入りやすいので、東南アジアに向いています。
訳者注: 上のレシピには、使うときの希釈倍率が書かれていません。これらの発酵液を、原液のまま植物に使わないでください。KNFのガイドでは水で大きく薄めて使いますが、倍率はガイドによって違います。使っているガイドの倍率に従ってください。1:1の比率が重さの比か容積の比かも、ガイドによって違います。FAAは匂いが強く、ハエが寄ってきます。密閉容器に入れ、住まいから離れた場所で発酵させてください。
やること: FPJを少量作り、数株で試してください。広く使う前に、2週間、葉の色と生育を記録します。
8. 有用微生物:研究で分かったこと
査読付きの研究では、微生物と大麻について次の結果が報告されています。
- Mucilaginibacter(土壌細菌の一属):Journal of Agricultural and Food Chemistryに載った2023年の研究で、栄養成長期の株に接種しました。総THCと総CBDが約11%増えました。
- バイオ肥料とフミン酸: バイオ肥料とは、生きた有用微生物を含む資材です。フミン酸は、よく分解された有機物に含まれる成分です。アメリカ・バージニア州の圃場試験(Da Cunha Leme Filhoら、Journal of Cannabis Research、2024年)では、CBDを多く含む大麻の栽培品種を屋外で育てました。2020年のシーズンには、バイオ肥料とフミン酸を単独または組み合わせて使うと、無処理の株より地上部のバイオマスが122%、草丈が105%、光合成の効率が43%増えました。このシーズンは植え付けが遅れたため、効果が大きくなりました。著者らは、2つを組み合わせると単独より効果が高いことまでは示せませんでした。
- 菌根菌(Rhizophagus irregularis): リンの吸収を高めることがあります。
カンナビノイドの含有量を決める一番の要因は、今でも遺伝です。微生物は、遺伝で決まる範囲の中で結果を動かします。低THCの品種を高THCの品種に変えることはできません。
訳者注: 期待できるのはささやかな改善であって、品種が変わるわけではありません。Mucilaginibacterの結果は、1つの研究で使われた研究用の菌株によるもので、市販品ではありません。菌根菌の接種資材のほうが手に入りやすいです。買う前にラベルを読んでください。
やること: 並べて比べる試験をしてください。同じ品種を同じ土で育て、半分の鉢には接種し、残りの半分には接種しません。乾燥重量と分析結果を記録します。あなたの条件で、その資材が価格に見合うかどうかが分かります。
9. 4つの方法を比較する
表1:無機肥料、ボトル入り有機肥料、リビングソイル、不耕起栽培の比較
| 項目 | 無機肥料 | 有機肥料(ボトル入り) | リビングソイル | 不耕起栽培 |
|---|---|---|---|---|
| NPKのコントロール | 正確 | 中程度 | 低い(土しだい) | 低い |
| 効き始める速さ | 速い(数時間) | 遅い(数日) | 非常に遅い(数週間) | 非常に遅い |
| 花穂の品質 | 良い | 良い | 非常に良い(テルペン) | 非常に良い |
| 初期費用 | 低い | 中程度 | 高い | 高い |
| 長期的な費用 | 高い(買い続ける必要がある) | 中程度 | 低い(土を再利用) | 非常に低い |
| 環境面の持続可能性 | 低い | 中程度 | 高い | 非常に高い |
| 難しさ | 簡単 | 簡単 | 中程度 | 難しい(経験が必要) |
| 向いている環境 | 水耕/ココ | どの培地でも | 大きな鉢/レイズドベッド | レイズドベッド/屋外 |
ある市場レポートでは、2025年の世界の大麻栽培の売上で、土を使う栽培が最大のシェアを占めています。リビングソイルで丁寧に育てた花穂は一般品の最大2倍の価格で売れる、と主張する宣伝目的の情報源もあります。しかし、これを裏付ける独立した価格データは見つかりませんでした。
訳者注: タイでは、大麻の花穂は規制ハーブです。販売できるのはPT 33処方箋がある場合だけで、最大30日分までです。花穂の広告とオンライン販売は禁止されています。そのため、タイでは花穂について「リビングソイル栽培」とうたって広告することはできません。高く売れることを前提にしないでください。
やること: 方法は費用と品質で選んでください。表を使い、あなたの栽培スペースでの初期費用と長期的な費用を合計して比べます。
10. リビングソイルの始め方:ステップごとの手順
- 第3章のレシピで土を混ぜる。 1回のバッチで、微生物のエサ、空気、すみかがそろいます。
- 2〜4週間熟成させる。 湿った状態を保ち、週に1回切り返します。微生物が生の改良材を分解するので、根が焼けません(第4章)。
- 植え付けのとき、根に触れるように菌根菌を振りかける。 菌根菌は、触れた根にしか定着できません。
- 水やりには塩素を抜いた水だけを使い、2週間ごとにコンポストティーを与える。 塩素は土壌生物を傷めます。ティーで微生物の数を補います。
- 3〜4週間ごとに、ミミズ堆肥、ケルプミール、ニームケーキでトップドレッシングする。 土壌生物が使い切ったエサを補います。
- 土の表面をわらや枯れ葉でマルチングする。 マルチは水分を保ち、微生物のエサにもなります。タイの暑さの中では、表面の温度を下げる効果もあります。地元の稲わらがよく合います。
- 収穫後は茎を根元で切り、もう一度トップドレッシングして、被覆作物の種をまく。 これで、新しい土を使わずに次のサイクルの準備が整います。
やること: ステップごとの日付、混合土の温度と匂い、植物の健康状態を簡単に記録してください。1サイクル終われば、どのステップを直すべきかが記録から分かります。
法的な注意
この記事は教育だけを目的としています。嗜好目的使用(レクリエーション使用)をすすめるものではありません。何かを販売するための申し出ではなく、大麻が禁止されている国の読者に向けたものでもありません。大麻の栽培は、お住まいの地域で施行されている法律に従って行ってください。
タイでは、大麻の花穂は保健省告示「規制ハーブ(大麻)」仏暦2568年により、規制ハーブとされています。この告示はタイ伝統医療保護法 仏暦2542年に基づいて出されたもので、2025年6月26日から施行されています。さらに、新しい2つの規則も適用されます(2026年4月の省令を参照)。
- 規制ハーブに関する省令(第2号)仏暦2569年は、2026年4月30日から施行されています。大麻の花穂のライセンス基準を厳しくする内容です。
- 大麻又はヘンプ抽出物に関する省令 仏暦2569年は、2026年4月26日から施行されています。
1999年の法律の第78条により、許可(第46条)なしに規制ハーブの研究、輸出、販売、加工を行うと、1年以下の懲役もしくは20,000バーツ以下の罰金、またはその両方が科されます。大麻管理法案(Cannabis Control Act)は、まだ法律になっていません。内閣は2026年9月22日に法案を承認し、下院に送りました。
質問とあなたの栽培結果
質問は、このトピックの下に直接書き込んでください。タイの条件でリビングソイルのサイクルを実施したら、栽培日記に記録してください。他の栽培者が比べられるよう、混合土の配合、熟成期間、土の温度も書いてください。
参考文献
- Chacon F. T., Raup-Konsavage S. A., et al. (2025). “Impact of Soil Quality on Cannabinoid and Terpenoid Content of Cannabis sativa L.” Journal of Medicinally Active Plants 14(2–3): 19–30. https://doi.org/10.7275/jmap.3150
- Lyu D., Backer R., Berrué F., Martinez-Farina C., Hui J. P. M., Smith D. L. (2023). “Plant Growth-Promoting Rhizobacteria (PGPR) with Microbial Growth Broth Improve Biomass and Secondary Metabolite Accumulation of Cannabis sativa L.” Journal of Agricultural and Food Chemistry 71(19): 7268–7277. https://doi.org/10.1021/acs.jafc.2c06961
- Da Cunha Leme Filho J. F., Chim B. K., Bermand C., Diatta A. A., Thomason W. E. (2024). “Effect of organic biostimulants on cannabis productivity and soil microbial activity under outdoor conditions.” Journal of Cannabis Research 6: 16. https://doi.org/10.1186/s42238-024-00214-2
- Cannigma(大麻情報サイト)(2026). “How to Prepare Organic Living Soil for Cannabis.” cannigma.com.
- Cannigma (2025). “Living Soil Cannabis: Why Top Cultivators Are Ditching Synthetic Nutrients.”
- Ahmadi F., Kallinger D., Starzinger A., Lackner M. (2024). “Hemp Cultivation: Chemical Fertilizers or Organic Technologies.” Nitrogen 5(3): 624–654 (article 42). MDPI. https://www.mdpi.com/2504-3129/5/3/42